猶原博士は、
家畜でも豚や鶏、ヤギに羊、めん羊・馬・豚・など等、
選定の意味を知るために、家畜の生産性について、徹底的に調べた。
年に2回出産、1回に10頭は出産をする豚とも比べています。
一番驚いたのは同じ牛でも乳牛と肉牛の生産性の違いです。
乳牛(特にホルスタイン)に比べれば他の動物は如何にも、
年間の蛋白質の生産、カロリーの生産性は落ちるのです。
同じ牛でも、肉牛は比較のために同じ体重で考えますが、
500kgの肉牛で歩留まり40%は普通ですが、遠慮して50%として考えます。
すると肉利用可能部分で、250kg です。
しかし250kgは肉の塊に見えて、実は水が8割です。
これも遠慮して7割とします。残りの80kgが蛋白質と脂肪などです。
80kgを作るのに2年かけます。1年間の生産は、わずか40kgと云うことになります。
一方乳牛の場合では、家の乳量は年3000kg です。
(ヤギでなく牛を飼えと馬鹿にされる量です。日本の平均は9000~9500kgです。)
馬鹿にされる3000kgで計算します。
乳蛋白質が8.5%で、255kgになります。
乳脂肪分が3.5%で、105kgになります。桁が一ケタ違うのです。
しかも一年間の生産です。
しかも殺さずして得るのです。
こう云う具合に全てを科学的に比較検討しています。
そして乳牛の素晴らしさを知り、中でもホルスタインにしたのです。
ペテン師とまで言われた猶原博士の悔しさを考えると、いても立ってもいられません。
吉塚 公雄