志ろがねより愛をこめて 2007年5月 

米国産牛肉全箱検査撤廃?      平成19年 5月1日(火)

 前略、数日ほど前のテレビで、米国産牛肉の全箱検査撤廃、と言うのが有りましたね。そもそも何の為の全箱検査だったのでしょう。
  アメリカが安全と言っていた肉牛からBSEが発症し、既に全頭検査していた日本では、安全安心のために全頭検査してくれと言ってきたのでしたが、実際的に頭数が多いアメリカではそれは出来ないと言うのでした。

  従って日本で国策として、輸入の段階で全箱の検査を義務付けていたのでした。益して20ヶ月以下の牛の肉に限定していたのを、安全に決まっているのだから安心して20ヶ月以上の牛肉も輸入の受け入れをしなさい、と言うものだったのだそうです。

  困ったものです。安全だアメリカからはBSEは発症しないと、断言までしていたアメリカで、BSEが発症しました。次には安全が保障できる工場から厳密な検査をして出荷するので安心してくれと言っていた牛肉の箱からいきなり骨が混ざって来たのは、どう理解したら良いのでしょう。如何に日本を馬鹿にしているかが良く分かったような・・。こういう事件が数回ありましたネ。

  こういうケースで信用が得られないのを、日本では「自業自得」と言いますが、アメリカでは何と言うのでしょう。今年に入ってからも、こういう事件があったにも拘らず、もう安心だから全箱検査撤廃で、しかも20ヶ月以上の牛肉も安全だと・・・?
  言うのは勝手ですが、それを通す日本は何でしょう。国内でやっている全頭検査の意味は何でしょう?

  私たちは「食」に対する最終的な安全意識や、知識を持ち、判断力がある消費者にならなければ・・・と思います。農家だって農民であり消費者でもあるのです。もっともっと消費者の立場で、勉強しなければなりませんネ。
  何か淋しさを感じたり、悲しささえ感じてしまいます。日本の良さは、ボーとしていても、安全だったり心配などが無い国だったのですから。
  何か人様や国の動きを監視したり、批判的に見ていなければ危ないとしたら、本当に淋しい話しです。憲法改悪や、何やらで・・・・・。草々。




頑固親父のヘナチョコ方針?    平成19年 5月15日(火)

  前略、皆様お元気ですか?何とか田野畑村にも遅い春がやって来ました。白やピンクや黄色の春が一度に牧山を春にしてくれています。
  タンポポとヤマブキの黄色が新緑に映えて見え、ヤマザクラとヤマナシがそっちこっちで、一気の春を告げています。
 夏草のシバ(日本シバ)が今夏の活躍を予想させるように、日に日に出て来ています。春草の緑とシバの枯れ色が入り混ざっていましたが、シバの緑が寒い悪天の春でも日々益して来ています。これに従い牛が食べる草の量が日々増えて来ており、牛乳の味が春草の味となって来ております。

  自然現象としての四季の移ろいと共にある田野畑山地酪農牛乳が、一番味に変化を及ぼす時期でもあります。サイレージ(保存ために発酵させた草)や乾草で冬を越して来ましたが、保存食ではない、春の山菜的な栄養効果のある一番の緑を少しずつ取り入れて、体調的にも自然に春へ、緑のナマ草へと移行して行くのです。
 四季の変化が少しずつであるように、牛の体調も一気ではなく少しずつ春へと移行するのです。年中昼夜放牧の田野畑の山地酪農が自然なのはその為でもあるのです。結局は牛にも余計な負担を掛けない事にもなっています。まだまだ腹一杯になるだけの草が牧山から供給は出来ませんが、一雨ごとに草の量が増えて行くのです。日々牧山へ通う事で、少しの変化が感じられ、喜びも益すのです。

  さて五月病の時期でもありますが、体調は如何ですか?オラ方の学校組みは何とか頑張っています。小学一年生になった壮太は、学校まで約4qで往復8kmを歩く事を、親として目標としております。兄や姉達も勿論やって来ましたし、まだ車がない時代には、ご先祖達は全て自分の足で歩き、用足しをしたものでした。また徒歩通学には別の意味もあります。徒歩の速度は、始めて社会に出た子どもには大いに社会勉強の機会でもあるのです。車では通り過ぎてしまう人様の笑顔も、チャンと見られて「おはようございます!」の言葉を交わす時間をくれます。こうして社会との関わり方を自然に教えてもくれると思っています。そして少しずつの自然の変化も肌身を通して感じる感性も育ててくれるのだと思っています。頑固親父のヘナチョコ方針?でした。草々。




初めての体験かも?       平成19年 5月29日(火)

 前略、天候不順ですが皆様お元気ですか?もうすぐ6月ですネ。
今日、久し振りで授精師さんを呼んで、発情の牛に種付けをして貰いました。ただ何でこれを書くかと申しますと、4月30日に2産目をした牛(4才)で、充分な草での冬越しと、安産のお陰で繁殖機能が順調に回復している事を物語っているのです。
  大変嬉しく、こういう状態を夢見て来たのです。 草が充分に食べられると、単に栄養状態が良いと言うことではなく、漢方的に体全体が元気になり活力を取り戻す、と言う感じでしょうか。

  仔牛が生まれては哺乳から母に任せての自然を心がけ、草も人為を最低にして、化学肥料を極力廃して来ましたが、牛舎の出し入れの時にまいていた「ふすま」だけは使っていましたが、食いたがらない現実に、安くもない飼料も一切を止めてしまいました。
 従って、今は夢に見ていた「大地に根差す」一辺倒でできる様になったと言えるのです。牛舎の出し入れも乾草を使い解決しています。
 小生が牛飼いを始めて、初めての体験になりました。全く草だけになり、それでも草の一部を売りもしたりと、考えられないような事になって来たのです。
 相手は生き物ですので、余り調子にのると直ぐに事故が起きたりするものですので、調子に乗らないようにしないと・・・・。
冬季に草を食いたいだけ食わせられる幸せを感じて来ましたが、そう云う冬越しは、理想の冬越しは、冬を乗り切ると言う、厳寒期を過したダメージを感じさせない元気さなのだと知りました。素晴らしい事です。
 牛乳が沢山出るとか出ないとか、では無くて如何に本来的なやり方が出来るかでしょう。そうすれば質的にも(量的に出るようではいけませんが。)味覚的にも、食材的にも最高になるのだと思います。
 この春に迎えた出産は、みな安産でした。みな順調が回復で、驚いておりますが、これの延長線上に、ちょっとだけでも病める牛や、傷付いた牛が元気に回復できる農場の構想が見えて来たのかな?これは実にやり甲斐もあります。
 理想は畜産人は畜産を通して、豊かさに貢献してこその畜産道?家畜道であり、人の道のような気がします。新しいものが見えてくる時は、やはり身を正してシッカリ思惟して目標が何かを見据えて進みたいものです。 草々。