5.採草地

@放牧地、採草地、及び使用する圃場に薬剤使用地は認めない。

  全国の農村で、うちは、またはうちの村は除草剤や殺虫剤を一切使用しません、と断言している村は全く知りません。今の時代、自分は使っていなくても偏西風が運んで来たり、工場廃水が危なかったり、ゴミ処理場が近かったりと、油断もスキもあったものではありません。せめてお互いの顔の見える関係を望む以上、最低限で自分にでき得る安全対策でしょう。


A化学肥料は元肥又は追肥として、年1回のみ記録使用可。
B主に有機質肥料での生産が原則。

  化学肥料の環境に及ぼす影響が問題になりますが、日本では必要以上に撒く傾向があります。沢山撒いた結果、河川に流れ込み、海までも汚染していると言うのです。でも百姓の立場では、それに変わる代用物が無い限り、「使うな!」と言うのはコクナ話だと思いました。でも私たちの村には畜産農家が沢山います。そして堆肥や糞尿を余している人も沢山います。今になれば有機質肥料だけでの生産もそんなに難しいことではないと思っています。100年前に立ち返れば有機農業しかなかったのでした。それまでは化学肥料の1回だけの使用は認めてもらいたいと思います。山地酪農家は、放牧を徹底的にすればするほど慢性的に堆肥不足になるのです、だってほとんどの糞尿は牧山に置いて来てしまうからです。お分かり頂けたでしょうか?


C酸性矯正は1.放牧地のCに準ずる。

  泌乳と言う生理的負荷が乳牛に与えるストレスは大きいものですが、乳量的に草で健康がまかなえるように泌乳量を減らしてやるのと、泌乳ではタンパク質や脂質のほかに塩分とカルシウムが極端に減じてストレスにもなっているのです。石灰質の効果は雨のもたらす酸性土壌の改良効果だけではなく、乳牛が大量に消費するカルシウムの草を通しての補給でもあり、大変重要なことなのです。


D放牧地と採草地の草種をハッキリと区別。

  日本では放牧地と採草地の草の種類をハッキリ分けて考えている専門家が、あまりいません。(乳牛も肉牛も同じ牛だとする専門家も結構多いのです。)放牧地は乳牛たちが自分たちで自活する場です。年間では同じ場所を20〜30回程、食草活動をするのが前提です。田野畑村では、採草地は年に2〜3回(多いところでも4回)程度、人為的に刈り取り貯蔵収納するために、ある程度の草丈が求められて来ます。


E成牛換算1頭に対し最低20eなくてはならない。
F冬越草量の収穫減に対し、購入素飼料に頼らず、牛の減頭で対処する。

  放牧で子牛時代から鍛えられた山地の乳牛の腹は胃袋しか入ってないんじゃないかと思うほど、専門的には食い込む(沢山食べる)ように思います。が過信は事故の元、猛暑やアブの影響で食欲をなくしている時等、補食に乾草や採草地の草を持って行ってあげると、暇にまかせて食ってしまいます。これをしないと乳質や食欲を損ねます。でも毎日のことで、補食とは言っても大変な作業です。ガンバリマス!まして一冬分の草の確保となれば大変です。数字で裏付けたのが1頭・20アールは最低必要だと言う事です。特にFでは、草が取れなかった場合には、買うことはせずに、確保量に合わせて牛を売るのです。変人あつかいされても仕方がないと思います。


G灌水は放牧地、採草地とも大いに良し。

  干ばつに水を撒くのは健全な人でしょう。



【追記】
冬越し素飼料の確保は基本的であり、成牛1頭/10d±10%(生草換算)必要とした前提で考察した。また、田野畑村の冬越しは11月中旬〜5月中旬までの6ヶ月であることが前提である。

  冬越し素飼料の確保は、冬越をいつから何時まで見るのかで、必要量が違ってきますし、地方や場所でも違ってきます。これは田野畑村の場合です。 年間の半分が冬越しとは、大変厳しい環境条件です。