くがねの牧通信 2006年6月 

来訪者

 皆様、こんにちは! 6月に入り、一番草の刈り取り、収穫が始まりました。
 今年は雨量が少なかったせいか、いつもより収量が若干少ない気もしますが、梅雨の季節が来る前にある程度めどをつけたいものです。
 酪農家にとっては一番忙しいこの季節、本来なら仕事以外の予定をあまり入れたくないのが本音ですが、今年は6月下旬に開かれる消防団の宮古支部走法大会の練習がほぼ毎日予定されています。
 その他にも、田野畑牛乳祭りや草野球、そしてサッカーワールドカップがあるではありませんか。
 うーん・・・、またどっちが仕事か分からないと両親に怒られそうです(笑)。


「くがねの牧」 草を食う牛達

 くがねの牧の牛舎は約30年前に建てられたものです。
 当時は最先端の建物だったと親父は自慢しますが、30年も前の話で、今では所々傷んでいる箇所もあります。
 ただ、外壁や土台はしっかりしているので、修理や工夫を加えながら、まだまだ使っていこうと思っています。
 その薄汚れた牛舎に、今、ツバメが盛んに出入りを繰り返しています。
 巣作りかそれとも子育てでしょうか、よく気をつけて見ていない為分かりませんが、これは毎年の光景で、特に作業や牛にも危害はありませんので、「今年もよく来たね」。と、そっと見守っています。

 昨年はなんとコウモリが2週間ぐらい住みついたことがありました。
 ある日、牛舎に行ってみると20cmほどの黒い物体が右に左に飛びまわっています。
 何だ?と、停まったところに近づいて見ると、なんと可愛いコウモリちゃんでした。
 薄暗い牛舎がちょうど住みやすかったのか、2週間ぐらい滞在していきました。
 ただこのコウモリ、低空飛行をするので、時々ぶつかりそうになるのでした。



天気が良くて最高!! 牛たちも嬉しそうだね。

 先月のことです。牛舎にまた新しい来訪者がありました。今度は鳩です。誰かに飼われていたのか、足には番号札が付いています。
 しかもよく見ていると、その番号札が付いた足を引きずりながら歩いています。
 どうやら怪我をしているようです。可哀想なのでしばらくそのまま様子をみることにしました。
 初めのうちは、特に若い牛など、鳩が近づくと怖がっているものもありましたが、慣れてくると、牛の顔のすぐ横で鳩が飼料などをつまんでいても、牛達も平気な様子で一緒に食べるようになりました。

 我々もどっちを飼っているのか分からないじゃないかと、その微笑ましい光景を眺めていました。
 そして、いつの間にか鳩の足の怪我も治ったようで、昼間は元気に外出するようになりました。
 この鳩がやって来てから2週間ぐらいたったころでしょうか、ある日を境に突然その姿が見えなくなりました。
 いつも、牛舎の中で鳩を見かけると追い回していた鳩の天敵、長男の和真に「かず、鳩はどうした?」と尋ねると、誰かの受け売りでしょうか、「もう、猫に食われたよ」とのこと、確かに数匹の猫も出入りしているのも事実ですが、本当でしょうか?

 数日後、私はいつものように志ろがねの牧の公太郎君と盛岡の牛乳配達に出かけました。
 片道2時間の道中様々な話で盛り上がりまいた。その中にこんな会話もありました。彼が言いました。
 「むね君、ちょっと前からうちの牛舎に鳩が住みついているんです」。
 私は驚きました。「マジで!!」。
 鳩がやって来た日や足の番号札のことなどから、家にいたものとたぶん同じだろうという結論に至りました。
 それにしてもよりによって同じ山地酪農をやっている彼の家に移動していたとは、本当に驚きでした。

 その後鳩は、公太郎君の手に掛かり食べられて、いやいや、公太郎君に見事に捕らえられ、近所の鳥愛好家の方に引き渡されたそうです。
 鳩の足に付いた番号を見たその人は「これは、結構南の方から来た鳩だよ」と言っていたそうです。

 ちなみに鳩を貰ったお礼にと、彼は鶏の卵を沢山ゲットしました。
 もちろん、2週間にわたり、その鳩の世話をした私には、お裾分けはありません(笑)。
  めでたし、めでたし。