くがねの牧通信 2006年2月 

命続く限り

 皆様、こんにちは! 
今年の冬は日本海側を中心に、記録的な大雪で多くの被害が出ています。
田野畑では雪こそまだ少ないですが、寒さの厳しい毎日です。
皆様におかれましても、どうかお体ご自愛下さい。

 くがねの牧では昨年頃からいたずら坊主の仕業と思われる、被害と言えば大げさですが、思わぬできごとが時々あります。そのいたずら坊主の正体は長男の和真、今年で4歳になり、まさにいたずら盛りの年頃となりました。

 昨年の初冬のことです。牧草地に石灰を撒くため、トラクターに散布用の機械をセットし、数km離れた草地にそのまま乗り付けました。さて、石灰をその機械の中に入れようかとトラクターを降りた瞬間、ある異変に気が付いたのです。よく見るとトラクターの脇の部分にオイルが飛び散り、斑点模様に汚れています。なぜだと思い、さらによく見ると、オイルの量を測るゲージが外れかかっていたのです。そこから運行中にオイルが飛び散っていたのでしょう。このゲージを落とすと大変です。部品が届くまでもちろん作業は出来ません。
 その時私の頭には、数日前そのオイルゲージを外し、オイルの量が適正か点検していた私の姿を、後ろの方でじっと見つめている息子の姿が思い浮かびました。

 この前私は、飼料の袋に入っているふすま(小麦を製粉したときに出る副産物)を牛にあげる為、一輪車にあけようとしました。すると下側になった袋の口が開けてあり、粉状のふすまはすべて地面の上に・・・。この袋を開けるのにはちょっとコツがあるのですが、その時私の頭には、いつもその作業をしている私の姿を、後ろの方からじっと見つめている息子の姿が思い浮かびました。

 牛舎の中にはウオーターカップと言って、牛が水を飲む器具があります。カップの中には大きなボタンのようなものがあり、牛がそれを鼻で押すと、水が出る仕組みになっています。牛はそのボタンを押しながら、カップの中に溜まった水を飲むのですが、このウオーターカップは子牛には少し難しいようです。水の出し方を覚えるまでは、我々が棒か何かでそのボタンを押して手助けし、「こうやると水が出るんたよ。」と教える必要があります。正月も何日か過ぎたある日、私は牛舎に行きました。中に入ってみてビックリ! 牛が餌を食べる飼槽(しそう)が水浸しになっています。ウオーターカップにつながるパイプでも破損したのかと思いましたが、どうやら違うようです。そこに並ぶウオーターカップはすべてに水が満タンになっています。そこから沢山こぼれ落ちたのでしょう。すべてのカップから、自然に水が溢れることはあまりにも不自然です。その時私の頭には、子牛に水を飲ませるため、棒を使ってカップのボタンを押して、子牛に水を飲ませている私の姿を、後ろの方でじっと見つめている息子の姿が思い浮かびました。

 1月15日、この日は小正月と言うこともあり、各地でいろいろな行事が行われます。この地域ではそのひとつに「なもみ」というものがあります。秋田の「なまはげ」と言えば有名ですが、大人が鬼の格好をし、「悪いわらしはいねーがー。」と子供のある家々を回る行事を、この辺りでは「なもみ」と呼んでいます。

 我が家にもそのなもみさんが今年から来たのです。私はちょうどその日、村の消防出初式に出席し、留守にしていたので、これは聞いた話ですが、夜7時半頃、家の下のほうから「ウオー! ウオー!! 。」と声が聞こえて来たそうです。和真はその声を「あー、消防さん達が帰ってきた。」と勘違いし、玄関でパパが入ってくるのを待っていました。しかし、なんと現れたのは鬼のお面をかぶった「なもみ」が3匹。これにはかなり驚いて、泣き叫びながら祖母にずっと抱きついていたようです。なもみの「ちゃんと言うごと(言いつけ)を聞ぐか?。」との問いかけと言うか脅しにも何度も大きな声で「ハイ! ハイ!! 」と返事をしていたとのこと。さて、その効果はというと、よほど怖かったのでしょう、口答えが多くなってきたこの頃でしたが、その後は素直に家族の言いつけを聞くようになりました。いたずらの方はどうでしょうか(笑)