~山地酪農って?~

『山地酪農は新規異質の農業である』

今まで日本にはなかった形の農業であり、
これに取り組む事は新規事業を創業することと同様の力が必要とされる。

耕地化不可能な山地急傾斜地に牧柵を巡らし乳牛を放ち、
山林を切り開き、シバを移植していく。
乳牛と人間の共同作業で牧山(放牧地)を作る。

傾斜山地を草地にし、
そこに乳牛を放牧し「牛乳」という価値の高い食料を生産する。

誰も気づかず、誰も取り組んだ事のない正に異次元の農業である。

安易に取り組めない相当の覚悟がいる事業であり、
完成までに20年を要するとも言われている農法である。

また、山地酪農の管理運営は多岐にわたる。
搾乳や育成など、牛の健康管理、牧山の掃除刈り、
牧柵の修理、採草地の草地管理、トラクター、搾乳機等の機械や経理管理等々、
多方面で総合的管理能力が要求される。

しかし、山地酪農には安定・永続・繁栄の農家(農業)を
実現することができるメリットもあり、
農業の本文である、
無(機物)から有(機物)である食料を創造生産することができる農業でもある。

平成26年10月寄稿
熊谷 隆幸(平成27年68才にて没)

シバを食む

放牧地は夏場、シバが生い茂り、緑がステキな牧山となります。そこで白黒のホルスタインが『ムシャムシャ、バリバリ』とシバを美味しそうに食うのです。この山と牛がおいしそうにシバを食べる姿を見るとき、私たちは「山地(やまち)酪農」を続けてこられた事に幸せを感じます。そして山が年々素晴らしくなるのを見ながら感動してしまいます。20年30年という長い時間をかけて、木を切り、牧柵を回し、牛を放し、シバを植え…そして今このような山になった事、牛がおいしそうにシバを食べている・・・感動します。

母牛と子牛

出産後から母牛の乳が牛乳に出せるようになるまで(成分が安定するまでは検査に出している)、子牛は母牛の乳を飲みたいときにのみ、一緒に放牧地を歩きます。人間もそうですが、子牛もやっぱり母が大好きなんですね。いつも一緒について回ります。この牛の姿も本当にかわいいものです。